THE ALL TIME DODGERS ART BOOK

ドジャース球団は約140年の歴史があり、2,000人近くの選手が活躍してきました。アメリカ野球の殿堂入りを果たしたメンバーは46人。ドジャースは8人の投手が12回のサイ・ヤング賞を受賞し、新人王を獲得した選手も18人と球界最多を誇ります。歴代の才能ある選手たちを１チームにまとめあげるのは、どれほど困難なことでしょうか。魅力的でありながらも、ほぼ不可能であろうこのミッションはまさにネッド・コレッティが自分自身に課した課題でした。そして、そのチームの先発メンバーまでも編成するのです。ショートはピー・ウィーかモーリーか？キャッチャーはキャンピーかピアッツァか？ファーストはホッジスかガービーか？そして、そのチームを誰が監督するのか？

ネッドはドジャースを率いていた時と同様に、統計と目に見えないものの両方を見てチームを編成しました。幸運にも現実の世界とは異なり、彼はチーム編成をする際の予算や奢侈税に頭をかかえることはなかったのです。各ポジションと選手に対して、彼は独自の考えを加えました。

ネッドがチームを編成した後、デイブがそのチームを描写するアートを創り上げ、その物語を語るシーンを創作しました。ネッドが財政的な制約を受けなかったように、デイブのアートも時間的な制約を受けませんでした。異なる時代のスター選手たちが全盛期に一堂に会することができたなら？という想像のままにデイブはその場面を創り出しました。単なる選手たちの肖像画を描くのではなく、野球ファンがワクワクするシーンを創造しました。

春季キャンプの試合中の時代を超えたドジャースのベンチ席を想像してみてください。ロイ・キャンパネラがマイク・ピアッツァと意見を交わし、サンディ・コーファックスが隣に座って試合の様子を見ており、クレイトン・カーショウがドン・ニューカムと打者やカーブボールについて話し合っている。スティーブ・イエーガーはフィールドに出る準備をしており、ジョニー・ポドレスがその様子を見守り、バリー・グライムズがチームメイトを祝福している。これらの選手たちのドジャースでのキャリアは100年以上にわたるものですが、彼らはすべてデイブの「キャッチャー」の絵の中に存在しています。また、バッティング練習中のチームの作品はどうでしょうか？ドン・ドライスデールがBPを投げ、ウォルター・アルストンとトミー・ラソーダが見守り、ジャスティン・ターナー、コーリー・シーガー、エイドリアン・ベルトレが順番を待っています。ジャッキー・ロビンソン、ロン・セイ、モーリー・ウィルスがゲームの細かい点について話し合っています。これはまさに夢のようなストーリーですが、デイブがこの貴重な瞬間を創り出しました。

また、チームミーティング中のクラブハウスを覗いてみると、そこにはオルストンとラソーダがカーク・ギブソン、フェルナンド・バレンズエラ、スティーブ・ガービー、ドン・ドライスデール、ジャッキー・ロビンソンが筆者自身に対して話をしている様子が見られます。そこにはブランチ・リッキー、ピーター・オマリー、そしてビン・スカリーも参加しています。片隅には1938年のドジャースのコーチ、すなわち「バンビーノ」ことベーブ・ルースが座っています。この豪華な空間にこっそり隠れて様子を伺いたいものです。

このような場面が、この本のページ一つ一つに詰まっています。ネッド・コレッティが創り出したオールタイム・ドジャースチームの論理と考え方を読み、デイブ・ホブレヒトが描くアートを存分にお楽しみください。